・2チームによる攻守入れ替わり制で行う。
・攻撃側は棍棒台に載せた被打棒を殴打棒で殴り飛ばし、守備側はそれを撃墜棒で打ち返すなどして阻止する。
・攻撃側は殴打者が1名1打ずつ飛ばし、守備側は撃墜者が複数名で待ち構える。
・勝負は各チームの合計点数で決する。
・打場の大きさは縦28m×横12m。
・棍棒台は高さ30cmの丸太もしくは角材を使用し、零線中央に固定する。
・公式戦は10回制とし、5回裏が終了した時点で休憩(ぐびぐびタイム)を挟む(10回が同点で終了した場合は勝敗が決するまで延長戦を行う)。
・公式戦は5人制とし、各チーム攻撃は5名以下、守備は4名以下の競技者によって行う。
・公式戦において控え選手は3名までとし、交代は無制限に行える(選手の登録者数は8名まで)。ただし、1回の攻撃において同じ殴打者が2度打つことはできない。
・公式戦においてはどのチームも女子選手を1名以上攻撃に参加させなければならない。女子殴打者の得点は2倍して計上する(マイナス得点は2倍しない)。
・殴打者による打ち方は、棍棒台に置いた被打棒に対して殴打棒を上から振り下ろす形に限る。それ以外の打ち方は反則であり0点となる。
・点数は、0~3.5mは0点、3.5~7mは1点、7~10.5mは2点、10.5~14mは3点、14~17.5mは4点、17.5~21mは5点、21~24.5mは6点、24.5~28mは7点というように、3.5mごとの範囲のどこで棍棒が静止したかによって採点する。なお、28m以上の場外に飛んだ場合は10点、42m以上の系外に飛んだ場合は20点とする。
・横幅を示す左右の側線の外(線外)に被打棒が飛んだ場合は0点とする。
・撃墜者に被打棒を捕獲された場合は、撃墜者が素手であれば-10点、軍手一枚でもしていれば-5点とする。
・撃墜者に被打棒を零線より後ろ(論外)に打ち返された場合、または殴打者が自ら被打棒を零線より後ろに飛ばした場合は-5点とする。
・殴打者が空振りした場合、1度目は不問とし、2連続で行った場合に-5点とする。
・殴打者が殴打した際に被打棒が著しく破損ないし折れた場合は、無効として新しい被打棒を殴打することができる。ただし殴打者が望めばそのまま採点される(採点は被打棒の最も大きな破片が静止した地点で行う)。
・殴り飛ばされた被打棒が地面で跳ねたり撃墜者に打ち返されたりした場合も、最終的に被打棒の動きが止まった地点が採点対象となる。被打棒が静止した時点をその殴打者による攻撃の完了とする。
・殴打者は自身の攻撃が完了するまで何度でも追い打ちすることができる。例えば殴打者が殴り飛ばした被打棒が撃墜者に打ち返されて殴打者の元まで飛んできた場合、殴打者もそれを打ち返すことができる。ただし殴打者は一線を越え出てはならず、殴打棒も一線を超え出てはならない。
・殴打席に立つ殴打者以外の攻撃側の選手はベンチに待機しなければならない。
・撃墜者は、棍棒台側に一線を超え出てはならず、撃墜棒も一線を超え出てはならない。また撃墜者は、殴打者が被打棒を打つまで臨界線を越えて立ってはならない。
・撃墜者は撃墜棒および身体以外を使用してはならない。また、撃墜棒を地面に差し込んで使用してはならない。なお、撃墜棒は撃墜者1名につき1本まで打場に持ち込める。
・撃墜者による守備が有効であるのは被打棒の動きが止まるまでとし、一度被打棒が静止したにもかかわらず打ち返すなどした場合は無効となる。
・被打棒が静止するまでに撃墜者が被打棒に触れてよい回数は全体で2度(2タッチ)までとし、1度(1タッチ)目は捕獲する場合を除いて撃墜棒でのみ接触が認められる。ただし、撃墜者が接触するよりも先に被打棒が地面に接触した場合、撃墜者は1度しかその被打棒に触れることができない。
・マイナス得点となる被打棒の捕獲が有効となるのは、被打棒が殴打者に殴り飛ばされてから地面に接触するまでに撃墜者が捕獲した場合のみとする。また、1度目で被打棒を捕獲し損なった場合は2度目で捕獲する以外はすべて無効となる。
・地面に落ちた被打棒を拾って投げる行為、撃墜棒または身体で押すように転がす行為は認めらず無効となる。
・撃墜者が被打棒を受け止め損なった場合は、その被打棒が接触されなければ到達していたであろう地点の得点が殴打者に計上される。
・選手または審判への危険行為や妨害行為はこれを禁止する(野次や罵倒は妨害行為にあたらないが、差別的な発言には警告または退場処分が課される)。
・競技者または審判以外による打場への侵入はこれを禁止する。
・悪質な反則または禁止行為を行った選手またはその他の者には警告または退場処分が課される。警告は2回目で退場処分となる。
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【服装規定】
・守備時にはヘルメットと金属製フェイスガードの着用を義務付ける。その他着用できる防具は、非金属製の脛当てと軍手相当の厚さの手袋に限る。
・競技者が着用できる衣服は、上半身はインナーとTシャツ、下半身はインナーとズボンと靴下のみとする。いずれも1枚ずつまでであり、綿またはポリエステル製のものとする(女子競技者のインナーは2枚まで可)。雨天の場合のみ、上記に加えカッパを上下1枚まで着用できる。
・スパイクや先芯のある靴の着用はこれを認める。
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【棍棒規定】
棍棒飛ばしで使用する棍棒はすべて木製に限り、樹種は問わない。
殴打棒と撃墜棒は棒状のものであれば形や大きさは各人の自由であるが、その競技者が片手で持ち上げられる大きさを上限とする。
被打棒は以下のような規定を設ける。
全長50cm程度
打撃部:持ち手=5:4程度
打撃部の直径6.5cm程度
持ち手の直径4.5cm程度
重さ1200g程度
なお、公式戦においては全日本棍棒協会製の公式被打棒を使用する。
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【用語】
・棍棒場…棍棒飛ばしを行う場所
・打場…棍棒飛ばし用に線で区切られたコート
・零線[ぜろせん]
・点数線(一線、二線、三線…~七線)
・臨界線
・開闢線[かいびゃくせん]
・側線
(以上5つは打場図を参照のこと)
・棍棒台…殴り飛ばされる小さい棍棒(被打棒)を設置する台(丸太や角材)。
・殴打棒…棍棒台に置いた小さい棍棒(被打棒)を殴り飛ばす大きい棍棒。
・被打棒…大きい棍棒(殴打棒)によって殴り飛ばされる小さい棍棒。
・撃墜棒…飛んでくる棍棒(被打棒)を打ち返す守備用の棍棒。
・殴打者…攻撃時に殴打棒で被打棒を殴り飛ばす競技者。
・撃墜者…守備時に撃墜棒や身体で飛んでくる被打棒を阻止する競技者。
・競技者…試合に出場している者。
・選手…控え選手を含めた登録選手。
・打棒…殴り飛ばされた被打棒。
・場外…奥行き28m以上の臨界線外区域。
・天上げ[てんあげ]/昇天る[あがる]…奥行き28m以上の区域(場外)にまで被打棒を飛ばすこと。10点が入る。
※天高く棍棒を飛ばす、テンションが上がる、10点を計上する等の意味が込められている。
・系外…奥行き42m以上の開闢線外区域。
・グレートバン[Great Bang]…奥行き42m以上の区域(系外)にまで被打棒を飛ばすこと。20点が入る。
・愚打/愚棒…3点以下のしょぼい打棒。
・愚打る…側線内で四線より手前に被打棒を飛ばす、ないし打ち返されること。
・線外…側線外区域。
・駄棒る[だぼる]…線外に被打棒を飛ばす、ないし打ち返されること。0点となる。
・論外…棍棒台より後ろの零線外区域。
・トミる…被打棒を後ろ(論外)に殴り飛ばす、ないし打ち返されること。非常に不名誉なことである。殴打者が自ら2連続で飛ばした場合、または撃墜者に打ち返された場合に-5点となる。