追放、返打、去勢、追打ち、足蹴、投棒、鹵獲

棍棒飛ばし(KONBOU)において、守備側は撃墜棒で被打棒を迎え打つが、その撃墜型には現在のところ以下の7種類が存在する。

第一撃墜〈一撃〉
・追放…横方向(線外)に弾き出す撃技
・返打…前方向(低得点域)に打ち返す撃技
・去勢…勢いを削ぎつつ上方向に軽く打ち上げる撃技

第二撃墜〈二撃〉
・追打ち…再度打つ撃技
・足蹴(にする)…足で蹴る撃技
・投棒…撃墜棒を投げる撃技
・鹵獲[ロカク]…身体で受け止める撃技(成功した場合は-5点+次回攻撃時に1名多く打てる)

 撃墜者は1度の攻守につき全体で二撃までしか被打棒に接触できず、一撃目は撃墜棒でのみ接触可能である。つまり、第一撃墜の追放・返打・去勢はいずれも撃墜棒による撃技である。なお、撃墜者が一撃するより先に被打棒が地面に接触した場合、撃墜者は一撃しかできない。つまり第二撃墜の追打ち・足蹴、投棒、鹵獲は、ノーバウンドで第一撃墜に成功し、なおかつ被打棒が静止または落地していない場合にのみ有効な撃技である。

 第一撃墜の三種のうち、追放が最もシンプルかつ効果的な撃技といえるだろう。どんな大打棒(高得点の打棒)も線外に出してしまえば0点である。しかもたった一撃で完結でき、その呆気なさから殴打者に心理的ダメージを与えることもできる。多くの局面で最善手となるが、エンターテイメント性ではやや劣る。

 返打は前方向に打ち返す撃技のため、小打棒(3点以下の打棒)に対して論外に打ち返す(-5点となる)場合に有効である。中-大打棒に対しては返打しても0点域にまで飛ばせないことが多く、被打棒が生きている間に追打ちないし足蹴をしてさらに得点を下げる必要が出てくる。他の撃墜者との連携も重要であり、その点ではエンタメ性が幾分高いといえる。

 去勢は、第二撃墜の鹵獲とセットであり、ハイリスクハイリターンな撃技といえる。なぜなら、回転しながら飛んでくる被打棒を上方向に打ち上げることがまず非常に難しく、さらにそれを空中でキャッチ(鹵獲)することも難しいからだ。成功すればかなり有利だが、失敗すれば当然相応の点数を獲られる。

 ともかく、撃墜においては追放と返打が基本的な撃技である。そしてこの追放と返打は打ち分けることができる。いずれもフォームは野球のそれと大体同じと考えていい。素振りをしてみれば明らかなように、上半身前面と撃墜棒は連動し、ほぼ平行の関係にある。したがって、被打棒を撃墜する瞬間に打ち返したい方向に上半身を向けるようにすればいいのだ。つまり、追放したい時は上半身を横方向に、返打したい時は前方向に向けるだけのことである。上半身がどちらを向くかは連続しているものの、横と前では明確に異なるため別フォームと考えたほうがいい。ちなみに、去勢時のフォームはどちらかといえば返打のそれと似ているといえる。ただし撃墜棒を振るというよりは当てるようにしてふわりと打ち上げるのがコツだ。

 しかし、ここで撃墜時のジレンマが発生する。撃墜フォームが異なるために、追放しようとすると去勢できず、去勢しようとすると追放できないことだ。実力が同程度の相手との試合において、守備で相手にマイナス得点を負わせることは非常に好都合であるが、マイナスにできるのは論外にまで返打するか去勢して鹵獲するかの二つしかない。去勢-鹵獲は相手の大打棒に対応でき、成功すれば-5点にできるうえに次回攻撃時に1人多く打つことができる。そこで、単に追放するよりも去勢することが戦術上有力となるわけだが、問題は去勢の難易度である。シンプルに追放しておけば0点にできたものを、難しい去勢を試みて失敗すれば逆に点を獲られてしまう。もちろん去勢-鹵獲を成功すれば、ヒーローにもなれ、試合にも勝利しやすくなり、観る者たちをより楽しませることができる。拮抗した局面での追放か去勢かの選択は究極の二択といえるだろう。

 つづいて第二撃墜だが、多くの場合これは第一撃墜者とは別の撃墜者の仕事となる。一撃をした者よりも他の者のほうが早く対応できるからだ。第二撃墜者はすみやかにカバーリングし二撃目で点数を下げようとするわけだが、追打ちするか足蹴にするかは打棒の状態と自身との位置関係による。一撃後、被打棒が今にも静止しそうで自身より遠めにある場合は追打ちまたは投棒すべきだし、まだ静止するまで余裕があったり近くにある場合は確実に足蹴にすべきだ。あるいはまた、第一撃墜者が去勢した場合は言うまでもなく鹵獲すべきだし、一撃目の追放ないし返打がミスとなりたまたま上方向に被打棒が打ち上がった場合にも撃墜棒を捨てて鹵獲したほうがいい。

 撃墜者4名のうち、誰が第一撃墜を行い誰が第二撃墜を行うかは相手の打棒次第だ。したがってまずは全員が一撃可能なように打場に満遍なく配置する。相手が打てば、瞬時に落下地点と誰が一撃にあたるかを見極め実行、その短い間に他の者は二撃に備えて迅速にカバー位置に移動して実行——これが最もありうる撃墜の流れだろう。要するに撃墜者は全員が第一撃墜者にも第二撃墜者にもなりうるということであり、その意味で全員が全ての撃技を習得しておくべきだということである。

ここまで見てくればわかるように、棍棒飛ばしの守備には攻撃とは別種の能力が求められる。どちらもフォームがきれいであることが重要であるものの、攻撃ではどちらかといえば単純な筋力が要求されるのに対し、守備では反射神経や動体視力や俊敏さや器用さが要求される。くわえて守備は、そうした個の能力だけでなく、撃墜者4名の連携も重要である。個々の組合せやポジショニングやコミュニケーションのことだ。つまるところ、棍棒飛ばしは守備のほうがやや複雑で難しく、だからこそ楽しい。そしてまた、守備が強いチームのほうがだいたい勝つ。

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