木々をわたる風にも、そこはかとなく秋の気配を感じる頃となりました。国民の皆様方には日頃より棍棒飛ばしにご理解・ご協力を賜り、至極当然のことだなあとしみじみ感じております。
さて、棍棒飛ばしは紛うことなき国民的競技なので、自分も始めたい、チームを結成したいと思っている人も多いと思う。ここではそんな人に向けて棍棒飛ばしの始め方を指南する。
本記事は、『こん棒飛ばし大会のしおり』28‐29頁と同じ内容であるが、誌面にミスがあったため正確な内容を記すとともに、修正版の画像とpdf(末尾)をここに掲載する。

棍棒飛ばしを始めるにはまず、①棍棒と②場所と③人——この三つを確保しなければならない。
①棍棒
棍棒飛ばしをするには当然棍棒が要る。『棍棒入門』には作り方を載せているのでそれを見て自作するのもいいだろう。というか、全日本棍棒協会としては自作の棍棒でプレーすることを推奨している。ただ、自作するには材料の木を手に入れなければならず、棍棒を作る野外の作業場もなければならない。さらに、最低でも殴打棒は1本、撃墜棒は4本要り、おまけに被打棒はカシ製でもその内折れるのであればあるだけいい。作るのは大変ではあるものの、自作した棍棒には愛着が湧くし、それで活躍できた時は歓びも一入だろう。もっとも一応、全日本棍棒協会では競技用棍棒の販売もしている。
②場所
棍棒飛ばしをするにはまあまあ広くて平坦な場所が要る。しかも、被打棒が飛ぶので四方に建物などがない所でなければならない。このような条件を充たせる場所は都会では望むべくもないし、田舎であっても実は難しかったりする。となると市営グラウンドを借りるくらいしか選択肢がなくなるが、いちいち借りるのは面倒であるし、棍棒飛ばしのような競技が禁止されている可能性もある。だからやはり、いつでも自由に心置きなく棍棒飛ばしができるホームグラウンドは是非とも必要だろう。ちなみに本部チームでは耕作放棄地を整備して使っている。
③人
棍棒飛ばしをするには(チームとして活動するには)最低でも5人の人間が要る。しかもその内1名は女子選手でなければならない。5人以上の動ける人間を集めるのは地域によっては難易度が高いかもしれない。それに、棍棒飛ばしをしたいと言い出してそれに乗ってきてくれる人がいるかは、君の普段からの人間関係や人望の有無にかかっているところがあり、残念ながら気持ちの強さだけではどうにもならない場合もある。また、たとえ5人集められたとしても、継続的にチームとして活動するにはメンバーが近隣に住んでいる必要もある。練習場所まで遠ければ遠いほど、彼の出席率は下がり、その内億劫になって来なくなってしまうだろうから。
以上の三つを揃えられるかは君がどこに住んでいるかによるばかりか、人望や運や体力があるかどうかも関わっている。難しさばかりを並べてしまったが、棍棒飛ばしをするにあたってこれらはどうしてもクリアしなければならない課題だ。もし君が熱い想いを持っているならば、置かれている境遇がどうであれチーム結成へ向けて少しずつでも動き出してほしい。我々は君のチームと対戦できることを心待ちにしているし、できるかぎりの支援はするつもりだ。とにかく、君もチームを作って全国大会を目指そう。
全日本棍棒協会では、本部チームへの体験受け入れ、出張指導(3万円~)、棍棒飛ばし入門動画の作成、等々の棍棒飛ばし普及活動を実施する予定である。専用フォームから個別の問合せも可。
なお全日本棍棒協会では、棍棒飛ばしチームは地域密着であるべきという方針から、加盟に際して下記ホームタウンに関する規定を設けることとする。
ホームタウン規定
・ホームタウンを設定すること(市町村以下の範囲)。
・ホームタウン内でホームグラウンドを確保すること。
・ホームタウンに設定した地域の名前(市町村名、旧市町村名、地区名等)を必ずチーム名に組み込むこと。
・棍棒飛ばしで使用する棍棒は、可能な限りホームタウン内で採取した木で製造すること。
・チームは可能な限りホームタウン内在住の選手で構成すること。