国民的新競技「棍棒飛ばし」をご紹介☆

 来たる2022年10月7日(金)、全日本棍棒協会は棍棒飛ばしの全国大会を開催する。なぜ平日にやるのかというと、10月7日が棍棒の日であるからだ。由来は深遠すぎてここで説明することはとてもできないものの、とにかく棍棒の日という事実の前では曜日などという概念は消し飛ばねばならない。10月7日は棍棒の日であり、したがって棍棒飛ばしの全国大会は何曜日だろうが毎年この日に開催される。

 棍棒飛ばし(KONBOU)とは、2チーム間で行われる木製の棍棒を使った競技である。攻撃側は殴打棒で被打棒を殴り飛ばし、守備側は撃墜棒で飛んできた被打棒を打ち返す、エキサイティングでエクストリームでエキセントリックなニュースポーツである。その競技性と強度は国民的競技と言って差し支えない水準に到達しつつあり、だからこそ棍棒飛ばしは国民的競技なのであって、いいかえれば棍棒飛ばしは国民的競技なのだ。全日本棍棒協会では全国大会だけでなく国内リーグの創設、世界大会の開催をも視野に入れており、その意味で棍棒飛ばしはもうほとんど人類的競技とさえいえるのである。

棍棒飛ばしは2021年8月に奈良県宇陀市大宇陀で誕生した。この競技は材料の木と広場を必要とするため都会よりも田舎のほうが圧倒的に有利といえる。ちなみに被打棒には規格があるが、殴打棒と撃墜棒は木製で棒状のものであればサイズは自由であり、それどころかむしろ自作した棍棒の使用が推奨されている。ということは、棍棒を作るための野外の作業場も必要となるのでやはり田舎が有利となる。現在多くの点で都会の後塵を拝するしかない田舎が、この競技においては格段に優位に立てるということだ。棍棒飛ばしが広まることで各地方が大いに盛り上がるばかりか、遠からず全世界を席巻するこの競技の発祥地として宇陀市が世界の中心に燦然と輝くことは火を見るより明らかである。また、競技用棍棒は堅くて頑丈な広葉樹でなければならず、したがって棍棒飛ばしは木々の新たな活用法をもたらし、人々の木々への興味を刺戟する。いいかえれば、全国の問題だらけの人工林や里山の現状に活路を拓く一つの力になりうるということだ。要するに、棍棒飛ばしをすれば大体のことはうまくいくのである。

ここで一応、これまでにもあり、これからもよくあるであろう「危ない(からやめろ)」という批判について検討しておく。まず気をつけたいのは、よくある批判は取るに足らない場合もよくあるということだ。人間が対象についての先入観や印象から、考えるより先に見当外れな発言をしてしまう場面に誰しも遭遇したことがあるはずである。くわえて、そうした声によって潰されたり萎んだり捻じ曲げられたりした物事を誰しも目にしてきたはずである。しかし一体、大した考えもなく反射的に発された声を重く受け止める必要がどこにあるのだろうか。棍棒飛ばしに対する「危ない」という声もその例に漏れない。第一、 危険な競技は他に幾つもすでに存在し(格闘技、ラグビー、アメフト、硬式野球等)多くの人々に受け入れられている。なるほど既存の競技はある程度安全面を配慮されてはいるが、それでもどんな競技にも怪我は付き物である。つまり、プレイヤーも観客もその競技の楽しさを求めて怪我のリスクを許容している 。逆にいえば、危なさが楽しさを力強く演出してさえいるのである。ともあれ、たしかに危なすぎるのは問題だ。けれども安全面でいえば、棍棒飛ばしはヘルメット、フェイスガード、手袋、脛当て、安全靴といった防具の着用を義務化ないし推奨しており、他の競技に比べて特段に危険というわけでもない。以上の理由から、「危ない(からやめろ)」という批判が全くもって考慮すべきものではないことがわかるだろう。それに、そもそも生きること自体が安全上極めて重大なリスクそのものである。危ないからといって人間が生きるのをやめているだろうか。

 全日本棍棒協会は、2022年2月に大阪北浜で『大棍棒展』を開催した。初展示にもかかわらず10日間で 1000人以上の来場があり、棍棒も100本近く売れ、多数のメディア取材も受けた。これは、棍棒にそれだけの求心力があるということでもあるが、まずもって多くの人々を惹きつけたのは棍棒の「試し殴りブース」であった。この、丸太を棍棒で殴るといういたって単純で野蛮な体験を求めて、我々主催者の予想をはるかに超える数の人間が詰めかけた。そのためあいにく騒音の問題で会期終了を待たずに中止せざるをえなかったほどだ。都会のギャラリーではこれが限界だった。しかし今我々は、棍棒先進地域こと田舎で、試し殴りどころではない、本気で殴打する機会を用意した。それが棍棒飛ばしである。

公式ルールはこちら

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